エンパワメントという単語を英和辞書で調べると「権利付与」とある。言葉そのものの意味から受ける第一印象は、社会福祉援助の上で使われる意味合いより、むしろパターナリズム(保護主義、温情主義)的に感じられる。本課題について考察することにより社会福祉援助としてのエンパワメントの正しい理解を試みた。
筆者が冒頭に述べた違和感に対する1つの答えはWallersteinの「エンパワーメントという言葉はパワーという単語が持つ抑圧的な側面を反映して潜在的な批判を受
社会福祉援助活動におけるエンパワメントの意義について述べなさい。
エンパワメントという単語を英和辞書で調べると「権利付与」とある。言葉そのものの意味から受ける第一印象は、社会福祉援助の上で使われる意味合いより、むしろパターナリズム(保護主義、温情主義)的に感じられる。本課題について考察することにより社会福祉援助としてのエンパワメントの正しい理解を試みた。
筆者が冒頭に述べた違和感に対する1つの答えはWallersteinの「エンパワーメントという言葉はパワーという単語が持つ抑圧的な側面を反映して潜在的な批判を受けてきた」というの言葉の中に見つけ出すことができた。しかし、社会福祉援助としてのエンパワメントとは、人々が加齢や障害などのため偏見や差別などの否定的な環境におかれ、パワーレス状態にあるとき、あるいは困難な状況に追い込まれ、落ち込んでいく過程(ディスエンパワメント)にあるとき、再び本来持ち合わせている力を取り戻し、自己統御感を強めていこうとする援助である。またWHOのオタワ憲章ではエンパワーメントを「人々や組織、コミュニティが自分たちの生活への統御を獲得する過程である」と簡潔に定義...