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『刑事訴訟法』(A09A)<課題 2> 教科書執筆者:椎橋 隆幸ほか
職務質問に伴う所持品検査はなぜ許されるのだろうか、また、許されるにはどのような条件が必要とされ、どの限
度で許されるのだろうか。具体例に言及しつつ、その根本的な理由について考察して回答しなさい。その際に、所持
品検査と憲法 32 条及び刑訴法 218 条以下の捜索とにどのような点に違いがあるのかを併せて考察すること。
1. は じ め に
まず、職務質問とは「警察官が不審事由を
抱いた相手に対して、停止させて質問をする
行為」である。そして警察官職務執行法(以
下、「警職法」)2条1項によれば、不審事由
とは「何らかの犯罪を犯し、若しくは犯そう
としていると疑うに足りる相当な理由」や、
「既に行われた犯罪について、若しくは犯罪
が行われようとしていることについて知つて
いると認められる理由」のことである。
次に、所持品検査とは、①所持品を外部か
ら観察する、②所持品について質問する、③
所持品の開示を求め、開示された所持品の検
査する、④外部から手を触れて所持品を検査
する、⑤所持...