科目コード07809 児童理解と教育相談
児童期には成長の過程でさまざまな心理的な発達の課題を体験し、獲得していく。就学前は、家族という安全な守られた縦の関係の中で信頼や甘えを体験し、自分が欲するものをどう表現したら周囲に気づいてもらえるかが主な課題となる。小学校低学年になると、未成熟な友達同士の横の関係に移行し、高学年になると、集団の中での個人が認識され、友人とは違う自分への優越感や劣等感が生まれ、自分が選んだ目標に向かって勤勉性を発揮し、達成感を得たり、挫折を味わう時期である。
エリクソンによる心理発達課題では、児童期を勤勉性とし、獲得に失敗した場合には劣等感を感じる時期としている。これは、努力した分だけ達成感を得られる時期でもあり、また、失敗した場合にはものごとに対して悲観的になる時期であるといえる。このような心理発達課題を持つ児童期に、親や教員はどのような接し方を行うことが適切であるか考えていきたい。
児童期に親が持つ不安として、「どうやったら、やる気になってくれるのか」、「返事だけはいいが、どうしてもぎりぎりにならないとものごとに取り組まない」ということである。これらの...