着色料
酸性タール色素の定性(TLCによる定性)
目的
寒天に含まれている未知の着色料をTLCにより他の試料と比較し定性する。
1~3の試料があり、今回の定性実験には1を用いた。
実験操作
①色寒天の小片を100mLビーカーに取り、ビーカー内で細かく砕いた。これに水(蒸留水)20mLを加え色素を抽出し、ろ過した。
②ろ液に酢酸を4~5滴加えた後、ポリアミド2gを加えて吸着させるために5分間放置した。
③約100 mLの水を使って色素を吸着したポリアミドをクロマト管に詰めた。
④クロマト管に酢酸・メタノール溶液30 mLを流した。
⑤メタノール30mLを流して洗浄した。
⑥NH3水・メタノール溶液50mLを流して色素を溶出させた。この溶出液は100mL ナスフラスコで受けた。
⑦溶出液を温浴中で減圧し、溶出液が1mL程度になるまで濃縮乾固した。
⑧⑦で得た濃縮液を展開溶媒(酢酸エチル:メタノール:28%アンモニア水=3:1:1)で薄層クロマトグラフィー定性試験を行った。
結果
TLCの結果、以下のRf値を得た。
フロキシン :Rf=2.55/7 ≒0.36
エリスロイシン:Rf=2.5 /7 ≒0.36
ニューコクシン:Rf=1.5 /7 ≒0.21
試料1 :Rf=2.5 /7 ≒0.36
UVの結果、フロキシンのみ発光反応が現れ、試料1では確認できなかった。
よって試料1はエリスロイシンである。
考察
TLCの結果を見ると、試料、フロキシン、エリスロシンはほぼ同じ高さまでスポットが上がりピンク色だった。一方ニューコクシンは少し低く橙色だった。また紫外線照射下では試料とエリスロシンは蛍光がなく、フロキシンだけ蛍光があった。これより、試料はエリスロシンであると考えられる。
課題
問1.天然着色料にはどのようなものがあるか調べよ。
[アントシアニン系色素]
①アカキャベツ色素
主色素:シアニジンアシルグリコシド
赤色~紫赤色を呈する。
(酸性:紫赤色 中性:紫~紫青色 アルカリ性:青緑色)
②エルダーベリー色素
主色素:シアニジングリコシド、デルフィニジングリコシド
赤色~青色を呈する。
(酸性:赤色 中性:赤~暗赤色 アルカリ性:赤紫~暗藍色)
③シソ色素
主色素:シソニン、マロニルシソニン
赤色~赤紫色を呈する。
(酸性:赤色 中性:紫色 アルカリ性:青色)
④ストロベリー色素
主色素:シアニジングリコシド、ペラルゴニジングリコシド
赤色~青色を呈する。
(酸性:赤色~橙赤色 中性:紫色 アルカリ性:青色)
⑤ブドウ果皮色素
主色素:アントシアニン(マルビジン‐3‐グルコシドなど)
赤色~赤紫色を呈する。
(酸性:赤色 中性:赤~暗赤色 アルカリ性:暗藍色)
⑥ブドウ果汁色素
主色素:マルビジン‐3‐グリコシド
赤色~赤紫色を呈する。
(酸性:赤色 中性:赤~暗赤色 アルカリ性:赤紫~暗藍色)
⑦ボイセンベリー色素
主色素:シアニジン‐3‐グルコシド
赤色~青色を呈する。
(酸性:橙赤色 中性:赤~暗赤色 アルカリ性:赤紫~暗藍色)
⑧ムラサキイモ色素
主色素:シア
着色料
酸性タール色素の定性(TLCによる定性)
目的
寒天に含まれている未知の着色料をTLCにより他の試料と比較し定性する。
1~3の試料があり、今回の定性実験には1を用いた。
実験操作
①色寒天の小片を100mLビーカーに取り、ビーカー内で細かく砕いた。これに水(蒸留水)20mLを加え色素を抽出し、ろ過した。
②ろ液に酢酸を4~5滴加えた後、ポリアミド2gを加えて吸着させるために5分間放置した。
③約100 mLの水を使って色素を吸着したポリアミドをクロマト管に詰めた。
④クロマト管に酢酸・メタノール溶液30 mLを流した。
⑤メタノール30mLを流して洗浄した。
⑥NH3水・メタノール溶液50mLを流して色素を溶出させた。この溶出液は100mL ナスフラスコで受けた。
⑦溶出液を温浴中で減圧し、溶出液が1mL程度になるまで濃縮乾固した。
⑧⑦で得た濃縮液を展開溶媒(酢酸エチル:メタノール:28%アンモニア水=3:1:1)で薄層クロマトグラフィー定性試験を行った。
結果
TLCの結果、以下のRf値を得た。
フロキシン :Rf=2.55/7 ≒0.36
エリスロイシン:Rf=2.5...