実際に合格をいただいたものですが、あくまで参考資料として下さい。ノークレームの自己責任でお願いします。
課題:トルコにおける世俗化とイスラームの相克について、あなた自身の意見を交えながら論じなさい。【解答文字数:2,000字以上3,000字以内】
<以下本文>
私たち日本人からすると、イスラーム圏というのは西洋化世界とは違い、戒律の厳しい生活を送っているイメージを抱く。そのような中でトルコは、西洋化の進んだ日本の友好国でもあり、いわゆるイスラームというイメージとは異なる国である。娯楽や飲酒にも寛容で、日本から旅行客が足を運ぶ観光地としても有名である。しかし現在のトルコが見せる姿の背景には、それまでの宗教支配から国ごと抜け出そうとした世俗化への奮闘があった。以下に、世俗化とイスラームの相克についてトルコが歩んだ過程を辿りつつ、私自身の意見を交えて述べる。
まず、トルコの前身であったオスマン帝国について解説する。7世紀に登場したイスラームは絶大な勢力を誇り、ウマイヤ朝によってイスラーム圏を拡大した。その一つであるオスマン帝国(1299~1922)は、始祖オスマン1世の治世最盛期には、北はハンガリーから南はインド洋に、東はイラクから西はアルジェリアに至る広大な領土を帝国の支配下においていた...