はじめに
以下に老年看護学のレポートとして、以下について論述する。
加齢に伴う感覚・知覚の変化
加齢に伴う神経学的変化
加齢に伴う運度能力の変化
なお、述べる順番は上記の順に従い、定義、原因、ケアについて述べる。
加齢に伴う感覚・知覚の変化
【感覚・知覚の定義】
感覚とは、受容器からの情報が中枢神経系に届き感じることであり、知覚とは、届いた情報から物事を認識することである。たとえば、吠えている犬を見たとき、そういう情報を目や耳を通して感じることが感覚であり、届いた情報をもとに「それは犬だ」と認識することが知覚である。
ここでは加齢に伴う視覚と聴覚の変化について述べる。
視覚
ヒトは、物体の形や大きさ、運動、色、明暗など外界にある情報の約8割を視覚から得ているという。このように、視覚は人間が活動する上で重要な役割を果たす。
【視力】
<定義> 物を見る目の能力。外界の物体の位置や形状などを認識する目の能力。
<原因> 加齢に伴う水晶体の弾性の減弱や毛様体筋の萎縮により、調節力が低下するため、近くにある対象物がぼやけて見えるようになる。このような近見が困難になった状態を老視という。
<ケア> 老眼鏡による調節が不十分だろ疲労をもたらし、その結果、活字離れなど日常生活にも影響を及ぼす。また動体視力も低下し、動いている物体の速度が増すほど見えにくくなる。車の往来が多い道路での横断や車の運転など、高齢者自身が意識して注意することも大切だが、事故の防止にむけ高齢者に配慮した視的環境作りも必要である。
【視野】
<定義> 視野とは視覚の感度分布と定義され、視線を向けている場所以外に見える範囲を意味する。
<原因> 加齢に伴い視野は狭くなる。これは眼瞼下垂、網膜神経細胞数の減少、視覚中枢までの視覚伝達路の機能低下が影響している。
<ケア> 高齢者では一望できる視野情報は減少する上に動作も遅延するため危険の回避が遅れ、事故の危険が高まる。しかし、見えているものの大きさや場所の明るさによっても視野は変化することから、高齢者の光の感度が向上するような環境の検討も必要である。
【順応性】
<定義> 外界からの刺激に対して、感覚器官が慣れていくこと。
<原因> 暗いところでは桿体が中心になって働く。この桿体は、黄斑部から離れるにしたがって、網膜のまわりに多くなり、視角の20~30°にあたる部分に最も多くある。また、視力にはあまり関与しない。桿体細胞には,ロドプシンとよばれる物質がふくまれ,光があたるとビタミンAに変わる。暗いところではこれと逆のことが起こるが、加齢に伴いこれらの機能が衰えるために起こると考えられる。また、ビタミンAが不足することでも夜盲症(とり目)となり、同じ状態となるので注意が必要である。
<ケア> 加齢に伴い明暗の変化になれるのに時間がかかるようになる。これは特に明るいところから暗いところへの移動は、暗がりになれるまでの間、視野情報が途絶えることになり危険である。夜間は波長の長い赤色灯で足下を照らすなどの工夫をしたい。
聴覚
ここでは老人性難聴を特筆する。
【老人性難聴】
<定義> 外耳と内耳の障害による難聴を伝音性難聴といい、内耳より中枢側の障害によるものを感音性難聴という。「耳が遠くなった」と表現される老人性難聴は感音声難聴に含まれる。
<原因> その原因は、老化に伴う蝸牛内の感覚神経であるラセン器や基底膜弾性の喪失、ラセン神経節の退行変性といった蝸牛レベルの障害が中心となる。はじめのうちは高い音が聞き取りにくいだけだが、進行する
はじめに
以下に老年看護学のレポートとして、以下について論述する。
加齢に伴う感覚・知覚の変化
加齢に伴う神経学的変化
加齢に伴う運度能力の変化
なお、述べる順番は上記の順に従い、定義、原因、ケアについて述べる。
加齢に伴う感覚・知覚の変化
【感覚・知覚の定義】
感覚とは、受容器からの情報が中枢神経系に届き感じることであり、知覚とは、届いた情報から物事を認識することである。たとえば、吠えている犬を見たとき、そういう情報を目や耳を通して感じることが感覚であり、届いた情報をもとに「それは犬だ」と認識することが知覚である。
ここでは加齢に伴う視覚と聴覚の変化について述べる。
視覚
ヒトは、物体の形や大きさ、運動、色、明暗など外界にある情報の約8割を視覚から得ているという。このように、視覚は人間が活動する上で重要な役割を果たす。
【視力】
<定義> 物を見る目の能力。外界の物体の位置や形状などを認識する目の能力。
<原因> 加齢に伴う水晶体の弾性の減弱や毛様体筋の萎縮により、調節力が低下するため、近くにある対象物がぼやけて見えるようになる。このような近見が困難になった状態を老視...