英米文学特殊講義(分冊1)

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    資料紹介

    日本大学通信教育部合格レポート設問1についての回答です。
    「ヴェニスの商人」の背後にある歴史的・社会的状況をきちんと押さえています。それを踏まえた上で作品自体をとても読み込んでいるところがとても良いです。とお褒めをいただきました。

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    英米文学特殊講義

          0431(分冊1)
    The Marchant of Venice はShakespeareの代表的な喜劇である。自分がこの作品に出合ったのは40年ほど前の中学の教科書に載っていたもので、第4幕第1場の法廷の場面をAntonioの友情とPortiaの機知の物語として描かれた、いわば義理と人情に溢れた「大岡裁き」として賞賛されていた。そこには大人達の考えや評価がどこかで反映されており、Shakespeareの作品の意図がどうであれ、ユダヤ人は嫌な奴だ。という偏見を持つ事になった。しかし、ユダヤ人差別と迫害の長い歴史を知り、人権や平等という思想を知った現在、この作品を読了した時に感じた違和は何であろうか。

    この喜劇は「箱選び」「人肉裁判」「指輪事件」あるいはそれに「駆け落ち事件」等のエピソードが絡み合って成立しているといってよいが、その見せ場はAntonio対Shylockの法廷での対決とPortiaによる解決を描いた「人肉裁判」といえる。当時は一種のおとぎ話として楽しまれたものと推測され、この流れの中でShylockは観客の嘲笑の的として、喜劇的人物として...

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