タンパク質結合――限外ろ過法
目的
限外ろ過法によりタンパク質の結合能を測定し、薬物のタンパク結合とその変動要因、タンパク結合置換による薬物相互作用、タンパク結合と薬物の体内分布の関連、および薬物の体内分布が薬物体内動態と発現に果たす役割を理解する。
実験方法
今回はアルブミンにスルファメチゾールの結合について調べる。
(1)使用器具及び試薬
ウシ血清アルブミン(分子量=66,000)4%溶液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS))
限外ろ過装置、ミリポア社ウルトラフリー、カットオフ分子量=10,000
遠心機、ミリポア社チビタン、6200rpm、2000G
(2)薬物
・スルファメチゾール 抗菌薬(サルファ剤)
0.2mM、0.3mM、0.5mM、1mMおよび1.5mM溶液(PBS)
・トルブタミド 経口糖尿病薬(スルホニル尿素系)
2mM溶液(PBS)
(3)実験方法
調整した0.2mM、0.3mM、0.5mM、1mMおよび1.5mMのスルファメチゾール溶液を2mLずつ試験管に入れた。
1本の試験管に1mMスルファメチゾール溶液を1mL、2mMトルブタミド溶液を1mLを入れた。
6本の試験管に、4%アルブミン溶液を2mLずつ加えた。
試験管をパラフィルムでシールし混合した後、37℃で30分間インキュベーションした。
30分後、各試験管中の溶液約0.4mLを採取し限外ろ過装置上部に入れ、それを遠心機に入れ、10分間室温で遠心した。
(4)薬物定量法
検量線を作成するためにブランクとしての精製水と0.1mM、0.2mM、0.3mMのスルファメチゾール溶液を用意した。これらをピペットマンで正確に50μL採取し、試験管に移した。また、遠心後、限外ろ過装置底部のろ液50μLをピペットマンでサンプルとして試験管に移した。
これらの試験管に1mLの精製水を加えた後、1M塩酸1mL、0.1%NaNO20.25mL加え、室温で15分間放置した。
さらに1%スルファミン酸アンモニウム溶液を0.5mL加え、室温で5分放置した。
0.1%津田試薬0.25mLを加え、混合した後、波長545nmで吸光度を測定した。
結果
(1)以下の結果をもとに検量線を作成した。
スルファメチゾール(mM) 吸光度 A ブランク 0 0.1 0.082 0.2 0.187 0.3 0.248 検量線から非結合形薬物濃度[Df]を求めた。
スルファメチゾール(mM) 吸光度 A 非結合形薬物濃度[Df]M 0.2 0.026 0.031×10-3 0.3 0.036 0.044×10-3 0.5 0.068 0.082×10-3 1.0 0.148 0.18×10-3 1.5 0.238 0.288×10-3 サンプル 0.102 0.124×10-3 (2)[PD]=[C0]-[Df]を求めた。
(3)[P]=0.02×1000/66000=3.03×10-4
(4)r=[PD]/[P]を求めた。
(5)r/[Df]を求めた。
スルファメチゾール(mM) [C0](M) [PD] (M) r r/[Df] 0.2 0.1×10-3 0.069×10-3 0.23 7.42×103 0.3 0.15×10-3 0.106×10-3 0.35 7.95×103 0.5 0.25×10-3 0.168×10-3 0.55 6.71×103 1.0 0.5×10-3 0.32×10-3 1.06 5.87×103 1.5 0.75×10-3 0.462×10-3 1.53 5.31×103 サンプル
タンパク質結合――限外ろ過法
目的
限外ろ過法によりタンパク質の結合能を測定し、薬物のタンパク結合とその変動要因、タンパク結合置換による薬物相互作用、タンパク結合と薬物の体内分布の関連、および薬物の体内分布が薬物体内動態と発現に果たす役割を理解する。
実験方法
今回はアルブミンにスルファメチゾールの結合について調べる。
(1)使用器具及び試薬
ウシ血清アルブミン(分子量=66,000)4%溶液(リン酸緩衝生理食塩水(PBS))
限外ろ過装置、ミリポア社ウルトラフリー、カットオフ分子量=10,000
遠心機、ミリポア社チビタン、6200rpm、2000G
(2)薬物
・スルファメチゾール 抗菌薬(サルファ剤)
0.2mM、0.3mM、0.5mM、1mMおよび1.5mM溶液(PBS)
・トルブタミド 経口糖尿病薬(スルホニル尿素系)
2mM溶液(PBS)
(3)実験方法
調整した0.2mM、0.3mM、0.5mM、1mMおよび1.5mMのスルファメチゾール溶液を2mLずつ試験管に入れた。
1本の試験管に1mMスルファメチゾール溶液を1mL、2mMトルブタミド溶液を1mLを入れた。
6本の試...