結局、システム微分方程式の解は次のようになる
時刻 では の値は最終値の約63%になる。この は「時定数(TimeConstant)」と呼ばれ、システムの応答の速さを示す大切な値である。
微分方程式を作る過程で とおいたことを思い出すと、時定数はコンデンサの容量と抵抗の積であることが分かる。
上で求めた解に 、 、tを代入し値が理論値である。
実験値と理論値の差は電池、抵抗コンデンサーの違いや導線の抵抗、また読み取った値の誤差によるものだと思われる。
図5の回路でダイオードは交流の正方向のときしか電流を通さないので、図6の黒線のような波になる(コンデンサが無いとき)。平滑用コンデンサCを入れると、波形は赤線や緑線のように滑らかになる。
しかし、それでも小さな波は残ってしまう。この波のことをリップル(ripple:さざなみ)という。
電源回路ではこのリップルは小さい程よい。リップルを小さくするには平滑コンデンサCの容量を大きくする。一般に電気機器の電源回路で大きなコンデンサが使われるのはこのためである。
リップルの大きさは波の振れ幅(peak to peal値<p−p値>)で示すのが普通である。
平滑コンデンサーを入れた時の山の間の波形が直線ではなく、前回のコンデンサーの放電曲線になっていた。
波の周期が20[ms]となっているのは、東日本の交流電源の周波数は50[Hz]であるから
より、λは20[ms]となる。
[実験 4.2] 全波整流回路の実験
図6の回路で波形はどのようになるかオシロスコープを使用して観察せよ。
次に、コンデンサを入れると、どのようになるか観察せよ。
(a)平滑コンデンサなし
(b)平滑コンデンサ:小(10μF)
(c)平滑コンデンサ:大(470μF)
また、どうしてこのような波形になるか、考察せよ。
コンデンサの充電特性
[実験 2.1] 図1の回路でスイッチをオンにしたのち、コンデンサの両端の電圧変化をテスタで測定し、その過程をグラフに描け。
また、コンデンサの電圧がこのように変化する理由を考察せよ。
図1.コンデンサの充電
実験結果
表1のとおりである。また、実験結果を見やすいようにグラフにしたものが図2である。
表1コンデンサの充電
時間[s] 実験値[V] 理論値[V] 時間[s] 実験値[V] 理論値[V] 0 0.00 0.0000 46 2.60 2.6261 2 0.25 0.2597 48 2.60 2.6585 4 0.50 0.4969 50 2.65 2.6880 6 0.75 0.7136 55 2.70 2.7512 8 0.95 0.9115 60 2.75 2.8016 10 1.20 1.0923 65 2.75 2.8418 12 1.30 1.2574 70 2.80 2.8738 14 1.45 1.4082 75 2.80 2.8994 16 1.60 1.5460 80 2.85 2.9198 18...