古代ギリシャ人の考えた万物の根源
長い人類の歩みの中で、数学を含む自然科学が飛躍的に発展し始めたのは、今からおよそ2千数百年前の紀元前600年頃、古代ギリシアにおいてであった。その後古代ギリシア科学は、900年にも渡りめざましく発展していった。古代ギリシア科学は、それ以前の宗教的自然観でなく、呪術的なものでもない考え方で、新しい自然観の元となるものであり、現代の自然科学の基礎を明確にしたという意味で自然学と呼ばれる。この自然観こそ、初めて自然科学的な考えに基づくものであった。
この自然観を最初に明らかにしたのは、「最初の哲学者」タレス(紀元前640年頃~546年頃)であり、自然の理解で最...