テオフィリン
1.テオフィリンはどのような薬物か
キサンチン系気管支拡張剤であり抗炎症作用も併せ持つ薬物である。
構造式
分子量=180.17(C7H8N4O2)
*分子量は遊離塩基
物理化学的性質
1)外観・性状 白色の結晶または結晶性の粉末で、においはない。
2)溶解性
N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、水、エタノール(95)またはクロロホルムに溶けにくく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
水酸化カリウム試液又はアンモニア試液に溶ける。
3)吸湿性 該当資料なし
4)融点、沸点、凝固点 融点=271~275℃
5)酸塩基解離定数 pKa=8.77
6)分配係数 該当資料なし
7)その他の主な示性値 該当資料なし
薬理作用
・気管支平滑筋の弛緩作用(気管支の拡張)
・心拍動数の増加、収縮力の増大作用
・冠血管拡張作用
・利尿作用
・骨格筋収縮力増大作用
作用機序
気管支平滑筋に直接作用し、ホスホジエステラーゼ活性を阻害して細胞内cyclicAMP量を増大させることによって気管支平滑筋を弛緩させ、気管支を拡張する。
また、細胞内Ca動態への直接・間接的な作用、アデノシン受容体への拮抗作用なども考えられている。
効能・効果
気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫の症状の改善
適応症
・気管支喘息、喘息性(様)気管支炎、慢性気管支炎、肺気腫
成人1回200mg、小児100~200mgを1日2回。朝および就寝前に経口投与する。気管支喘息には1日1回400mgを就寝前投与できる。
・キサンチン系薬剤の投与により重篤な副作用がみられた患者には禁忌である。
・てんかん、甲状腺機能亢進症、急性腎炎、うっ血性心不全、肝障害の患者および小児、高齢者には慎重に投与する。
・ウイルス感染(上気道炎)に伴う発熱時にはテオフィリンの血中濃度が上昇することがある。
副作用
・副作用は用量依存的であり、血中濃度が20μg/mLを超えると現れる。
・経口投与後に頭痛、不眠、興奮、めまい、振戦、耳鳴り、発疹、悪心・嘔吐、食欲不振、下剤などの症状も現れる。
・心悸亢進、顔面潮紅、たんぱく尿の排泄、血清尿酸値の上昇などを、見ることもある。
テオフィリンの市販製剤にどのような製剤があるか。
顆粒、錠、カプセル、シロップ、ドライシロップがある。いずれも徐放性製剤である。
テオフィリンとアミノフェリンの違いは?また薬物動態を考える時の違いは?
アミノフィリン…テオフィリンは単独では水に溶けにくいので、エチレンジアミンという成分と混ぜて溶けやすくしたもので、注射薬や座薬として発作時によく使われる。
アミノフィリンのテオフィリン含有率は80%である。よって薬物動態を考える場合、分布容積やクリアランスがテオフィリンの8割ということになるので注意する。
有効治療濃度域
5~20μg/mL また、一般的な目標血中濃度は5~15μg/mL
中毒症状を発現する血中濃度は?
20μg/mLをこえると、一部の患者では消化器症状、頭痛、不眠および心拍数の増加が現れる。
40μg/mLに近くなると、多くの患者で中毒域に入り、期外収縮を伴わない毎分120以上の心拍数の増加、呼吸頻拍、まれに不整脈や痙攣を引き起こす。
40~60μg/mLの範囲では、ほぼすべての患者で中毒域。中枢症状、不整脈、痙攣を引き起こす。
致命的な血中濃度は60μg/mL以上である。
過量投与時の注意事項は?
副作用が発現した場合は減
テオフィリン
1.テオフィリンはどのような薬物か
キサンチン系気管支拡張剤であり抗炎症作用も併せ持つ薬物である。
構造式
分子量=180.17(C7H8N4O2)
*分子量は遊離塩基
物理化学的性質
1)外観・性状 白色の結晶または結晶性の粉末で、においはない。
2)溶解性
N,N-ジメチルホルムアミドにやや溶けやすく、水、エタノール(95)またはクロロホルムに溶けにくく、ジエチルエーテルにはほとんど溶けない。
水酸化カリウム試液又はアンモニア試液に溶ける。
3)吸湿性 該当資料なし
4)融点、沸点、凝固点 融点=271~275℃
5)酸塩基解離定数 pKa=8.77
6)分配係数 該当資料なし
7)その他の主な示性値 該当資料なし
薬理作用
・気管支平滑筋の弛緩作用(気管支の拡張)
・心拍動数の増加、収縮力の増大作用
・冠血管拡張作用
・利尿作用
・骨格筋収縮力増大作用
作用機序
気管支平滑筋に直接作用し、ホスホジエステラーゼ活性を阻害して細胞内cyclicAMP量を増大させることによって気管支平滑筋を弛緩させ...