【日大通信】国語学講義_分冊2

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    資料紹介

    【日大通信】国語学講義_分冊2  H25-26年度課題 合格リポートです。「平安時代と、鎌倉室町時代の文献からそれぞれ一つずつ選び、まずひとつづきの200字程度の本文を引用し、その中に見出される国語史的特色(その時代らしさ)を説明しなさい。国文学史や文化史的な記述は、本課題では一切不要である。なお引用した本文は、何を参照したか明記すること」

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    平安時代に用いられた主な文章は、純漢文、変体漢文、宣命体、片仮名宣命体、平仮名文の五種類である。これらの中で、平安時代に入り新たに成立した文章は、片仮名宣命体と平仮名文である。平仮名文は和文とも言い、漢文に対して平仮名の文章の類型を指すが、実際には平仮名にわずかな漢字、漢語を交えているのが普通であろう。奈良時代の万葉仮名の流れを引き、平安時代になって平仮名の成立に伴い誕生した文章である女性の日記、随筆、消息などや、主として女性を相手とする歌物語や作り物語などに使用された。平仮名文は、漢文が公的な文章であるのに対して、私的な文章であった。また平仮名文は、漢文訓読の文章が文語的であるのに対し、口語的で、当時の貴族の女性のことばにかなり近いものであった。

     この時期の平仮名文による主な作品としては『竹取物語』『伊勢物語』『枕草子』『源氏物語』『土佐日記』などがある。これらの中で『竹取物語』や『土佐日記』などは男の作品と思われる。平仮名文としては早い時期のものではあるが、漢文訓読の語彙や語法が散見され、女性の手になる平仮名文との間に大きな差異を示している。

     ここで『源氏物語』の文章から、...

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