「わが国の乳児・新生児死亡率について述べよ。」
1.はじめに
近年、乳児・新生児の死亡に関する事件がメディアで報道されている場面が散見される。我が国の年齢別人口構成は「ピラミッド型」となっているが、一方で発展途上国では乳児新生児の死亡率が高く「ひし型」を示している。発展途上国における乳児新生児の死亡理由の大半は「感染症」によるものである。私は保育士を目指す者として、乳児・新生児の死亡率や小児における保健の現状と課題について熟慮しておくことは極めて重要であると考えている。したがって、我が国の乳児新生児の死亡率について、これまでの推移や動向、小児保健上の現状と課題について触れながら、諸外国と比較することで考察し、論じていきたい。
2.死亡率とは
死亡率とは、一定の人口に対する、その年の死亡者の割合のことを示し、一定の期間の死亡者を人口で割った値をいう。我が国では「人口10万人のうち何人死亡したか」を一年単位で算出している。この死亡率の指標にはいくつかの種類がある。一つ目が粗死亡率である。これは全人口に対する一年間の死亡数を示すものであり、少子化が進み高齢者の割合が多い我が国では、...