*多重人格とは
多重人格障害は、明確に独立した性格、記憶、属性を持つ複数の人格が1人の人間に現れるという症状を持つ。ほとんどが人格の移り変わりによって高度の 記憶喪失 を伴い、そのために診断が遅れたり、誤診されることが非常に多い疾患である。また、その症状ばかりが好奇の対象となりやすく、この疾患のほとんどが幼児に対する性的暴行などの残忍な虐待を背景に持つことについては軽視されがちである。
*多重人格が起こる原因
多重人格障害は幼児期に受けた暴力や性的な虐待が原因というのが通説となっている。つまり、傷つきやすい子供が、外界の過酷な状況に耐えきれず、どんどん奥に引っ込み、その子供の人格をいわば保護する目的で、身代わりに虐待を受けとめ、本人を慰め、守ってくれる人格を創造し、発展させながら、多重人格を創り出してゆくという、一種の防衛のメカニズムだということで、現在ではこの説が一般に受け入れられている。
実際、北米では、一般の女性の幼少期の性的虐待経験の割合が4割近くなのに対し、多重人格障害者ではどの調査でもほぼ全員ないし圧倒的多数(95%程度)が、幼児期の性的虐待を受けているという。
また、アメ...