どうすれば人は鳥のように空を飛べるのか。風まかせの気球では物足らないと考えた人々は、飛行の原理の研究を始めた。 飛行の研究と言えばレオナルド・ダ・ビンチが有名であるが、ダ・ビンチは鳥の飛行を詳細に観測し、羽ばたき機 (オーニソプター) を構想した。大きな鳥でも、ちゃんと飛べるのは体重10キログラム程度までで、しかもアホウドリなど滑空飛行が主体だから、実際には人が羽ばたいたのではとても飛び上がれるものではない。無謀にもダ・ビンチの案を実行したばかりに命を落とすものも現れた。 現在の飛行機のようにしっかりとした固定翼で機体の重量を支え、プロペラなど前に進むためのメカニズムを別に備えることを発明したのは、イギリスのケイリー卿であった。ケイリー卿は実際に人が乗れる大きさのグライダーを作って実験している。このときの操縦士は、彼の馬車を操る御者であった。「自分は空を飛ぶために雇われたのではない」と嫌がる御者を乗せ、グライダーはわずかに地面を離れた。 「航空学の父」と呼ばれるケイリー卿の実験は、多くの冒険家や発明家たちに飛行の夢を与えた。
今回は飛行機を製作し、飛ばすことによって空気中で物体に働く力と飛行機が安定に飛行する条件を考える。
2004年度
機械創造工学体験演習
Ⅲ-7レポート
「飛行を安定させるには」
1、緒論
どうすれば人は鳥のように空を飛べるのか。風まかせの気球では物足らないと考えた人々は、飛行の原理の研究を始めた。 飛行の研究と言えばレオナルド・ダ・ビンチが有名であるが、ダ・ビンチは鳥の飛行を詳細に観測し、羽ばたき機 (オーニソプター) を構想した。大きな鳥でも、ちゃんと飛べるのは体重10キログラム程度までで、しかもアホウドリなど滑空飛行が主体だから、実際には人が羽ばたいたのではとても飛び上がれるものではない。無謀にもダ・ビンチの案を実行したばかりに命を落とすものも現れた。 現在の飛行機のようにしっかりとした固定翼で機体の重量を支え、プロペラなど前に進むためのメカニズムを別に備えることを発明したのは、イギリスのケイリー卿であった。ケイリー卿は実際に人が乗れる大きさのグライダーを作って実験している。このときの操縦士は、彼の馬車を操る御者であった。「自分は空を飛ぶために雇われたのではない」と嫌がる御者を乗せ、グライダーはわずかに地面を離れた。 「航空学の父」と呼ばれるケイリー卿の実験...