法律学概論Ⅰ
労働者の保護について論じなさい。
ポイント→労働者の生存権を保障するため、労働保護法が定める労働契約や労働条件に対する制限および使用者の責任。
キーワード→勤労権、労働契約、最低労働条件、解雇保護
労働者の保護のために、労働保護法がある。労働保護法とは、労働者の保護を目的とする法規のすべてのことをいう。社会保険や失業救済等に関する法令をも含み、近代社会において特殊の立場におかれた労働者に対して、生存権を保障するために、労働契約における私的自治を、一定限度において排除ないし制限するものである。生存権を保障するための手段として、労働によって生活するものである点に着目し、これに労働する権利を保障することによって、その生活を保障するといものがある。もちろん労働者は自主的に完全就業できる体制の実現のために努力しなければならないが、それが不可能な場合には、国家によって資金の給付等が与えられる。
勤労権保障の具体手段には、私人が労働者の就業に介入して利益をあげることの制限・禁止、無料職業紹介の制限、雇用保険制度、職業訓練の実施などがあり、これらの手段はグローバル化やデフ...