行政行為の意義、効力とその根拠、効力を争う方法について、それを支える法制度と関連づけながら説明しなさい。
『行政法 1』(B18A)<課題 1> 教科書執筆者:櫻井 敬子
行政行為の意義、効力とその根拠、効力を争う方法について、それを支える法制度と
関連づけながら説明しなさい。
1. 行 政 行 為 の 意 義
行政行為とは、学問上の概念であり、実定
法上用いられる概念ではない。行政行為の定
義は学説により若干の違いはあるが一般的に
は、行政と国民との間又は国民相互の間の法
的効果の発生・変更・消滅の段階で行われる
行政の行為であり、公権力の行使としての性
格をもつものをいう。判例は、公権力の主体
たる国又は公共団体が行う行為のうち、その
行為によって、直接国民の権利義務を形成し
又はその範囲を確定することが法律上認めら
れているものと定義している(最判昭39.10.29民
集18巻8号1809頁)。その主な特徴は、一方的
(権力的)であること、国民の権利義務を決
定する法的効果があること、その効果が具体
的な国民の権利義務に関わることである。こ
こで、一方的(権力的)であることとは、私
人間の法律行為が、法律効果を発生させるた
めに両当事者の意思...