工学基礎化学実験 エステル化
実験目的
エステル化という有機化学の基本的な反応を通して,有機化学化合物の合成
実験における基本操作を学ぶ。
カルボン酸とアルコールを数本の未知試料とし,生成するエステルの性質(沸点,融点,臭い)などから原料を考察することにより,未知化合物の同定法について学ぶ。
簡便かつ有効な有機反応追跡法のひとつである溥層クロマトグラフィーについて実習する。
実験操作 酪酸エステルの合成 酪酸 エタノール 酪酸エチル 水
CH3(CH2)2COOH + C2H5OH CH3(CH2)2COO C2H5 + H2O
① 目盛り付き試験管3本と80℃の水浴を用意する。
② 3本の試験管にそれぞれ,酪酸 約1ml,エタノール 約1.5mlを入れる。Aはそのままで,Bの試験管に濃硫酸 0.3~0.5mlを,Cの試験菅には強酸型イオン交換樹脂(Amberlyst 15) 約0.1g(小サジ3~4杯)をそれぞれ入れる。これらを80℃の水浴(100mlビーカー)にいれホットプレート上で15以上加熱する。Cについては,反応が進みにくい場合があるので,ときどき振り混ぜる。加熱が終わったら,試験管を試験管立に移して室温まで冷やし,様子を観察する。
③ 臭いをかいでみる。
④ 各試験菅に水2mlを加え,よく振り混ぜた後,試験管立に静置し,様子を観察する。
※ 酪酸の取扱いは全てドラフト内で行う。
未知試料(カルボン酸+アルコール)によるエステルの合成
① 1.5mlなし型フラスコ(小さい,先がとがった形のフラスコ)に,カルボン酸未知試料(Ⓐ,B,Cのいずれか)0.2g,アルコール未知試料(Ⓧ,Y,Zのいずれか)3mlを入れる。濃硫酸0.3mlを加え,攪拌子を先のとがった方を下にして入れ,環流冷却管を取り付ける。環流冷却管に付いているゴム管(冷却水入口)の端のプラスティックのコネクターを水道にとりついているゴム菅のコネクターと接続し,環流冷却管もう一方のゴム菅(冷却水出口)の端は,流しに出しておく。冷却水を流し,反応器のフラスコをホットプレートの上の湯浴につける。湯浴温度80・90℃で加熱沸騰させる。
② 過熱を開始して10分立ったら,フラスコを湯浴から引き上げ,1分ほど待ってから,反応液からキャピラリーでサンプリングし,薄層クロマトグラフィーを行い,反応進行度をチェックする。サンプリングができたら,再びフラスコを湯浴につけ,加熱を再開し,沸点環流させる。使用後のキャピラリーは,所定のポリバケツに捨てる。
③ 薄層クロマトグラフィーの結果を記入する。
④ 反応をさせている間に選んだカルボン酸未知試料の融点を融点測定器を使い測定する。
⑤ 最初の薄層クロマトグラフィー後さらに30分加熱したところで,再び薄層クロマトグラフィーを行い,10分後の結果と比較する。また,この操作と並行して,反応の後処理(⑥,⑦の操作)を行う。
⑥ 環流冷却管をつけた状態で,フラスコを氷水浴に約1分つけ,反応液を冷却する。
⑦ 環流冷却管をはずし,反応液を蒸発皿に全部移す。過剰の酸を中和するため,炭酸ナトリウムの粉末 約1gを加えてガラス棒でよく混ぜる。(炭酸ナトリウムは溶けなくてもよい)。これを,ドラフト内のホットプレートで約1分程度加熱し,過剰のアルコールを蒸発させる。
⑧ 生成物の臭いをかぎ,できるだけ可能性のある生成物9種類の標準サンプリングの臭いと比較してみる。
※ カル
工学基礎化学実験 エステル化
実験目的
エステル化という有機化学の基本的な反応を通して,有機化学化合物の合成
実験における基本操作を学ぶ。
カルボン酸とアルコールを数本の未知試料とし,生成するエステルの性質(沸点,融点,臭い)などから原料を考察することにより,未知化合物の同定法について学ぶ。
簡便かつ有効な有機反応追跡法のひとつである溥層クロマトグラフィーについて実習する。
実験操作 酪酸エステルの合成 酪酸 エタノール 酪酸エチル 水
CH3(CH2)2COOH + C2H5OH CH3(CH2)2COO C2H5 + H2O
① 目盛り付き試験管3本と80℃の水浴を用意する。
② 3本の試験管にそれぞれ,酪酸 約1ml,エタノール 約1.5mlを入れる。Aはそのままで,Bの試験管に濃硫酸 0.3~0.5mlを,Cの試験菅には強酸型イオン交換樹脂(Amberlyst 15) 約0.1g(小サジ3~4杯)をそれぞれ入れる。これらを80℃の水浴(100mlビーカー)にいれホットプレート上で15以上加熱する。Cについては,反応...