シックハウス症候群の原因と対策
近年、住宅を高気密化することや、化学物質を放つ建材や内装材を使用することにより、新築や改築工事後の住宅などで、化学物質による室内空気汚染などがあり、居住者に様々な体調不良が生じていることが数多く報告されている。この症状は多様で、症状発生の仕組みをはじめ、未解明の部分も多く、また様々な複合要因が考えられることから、「シックハウス症候群」と呼ばれている。
それら主な症状としては頭痛、喉の痛み、眼の痛み、鼻炎、嘔吐、呼吸器障害、めまい、皮膚炎などが上げられるが、 病気としてのメカニズムと治療法も解明されておらず、医療分野でも対応が整備されていないのが現状である。この現状を踏まえると、建材メーカー、施工者、そして消費者も自らの手で安全、健康を確保する事を考えなくてはならない。
本稿では、シックハウス症候群の原因を明らかにし、そこから今できる対応とこれから開発が期待される対応策を考えたい。
シックハウス症候群の原因
物質としての性質
シックハウス症候群の原因と考えられる化学物質でまずとりあげられるのが、ホルムアルデヒドという化学物質である。ホルムアルデヒドは、...