地方公共団体の議事機関の意義を国会と比較して述べなさい。
はじめに地方公共団体の議事機構(以下、地方議会)と国会の違いについて述べ、最後に地方議会の意義について論じる。
地方議会とは、住民が直接選挙により選出した地方議員で構成される最高の意思決定機関で、都道府県・市町村・特別区に共通の制度のことである。条約の制定、予算の決定、地方税に関する決議のほかに、執行機関の監視、議会の組織運営などの役割を議会は担っている。地方公共団体の長(市町村長、都道府県知事)は、首長制によって選ばれている。首長制であることから、普通地方公共団体の議会の議員のみならず長も住民から直接選挙されるため、地方議会は地方公共団体の最高機関ではない。また、地方議会は条例の制定及び改廃権を有しているが、普通地方公共団体の長も規則の制定・改廃権を有している(憲法第94条にいう「条例」とは、長の制定する規則も含むと解されている)ことから、唯一の立法機関でもない。地方公共団体の議会と長は、ともに住民を代表する機関として対等であり、互いに自己の権限を公使し、牽制しあうことで円滑に地方自治が運営されることを目的としている。
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