文化政策及びアートマネジメントとは何か
文化政策にはお金が必要である。都道府県、市町村をあわせた文化予算は、ピーク時の1993年の9,550億円以降、一貫して減少傾向が続き、2007年度には約3,980億円にまで落ち込んでいる。その背景には、近年の財政状況の悪化が考えられる。財政状況などに左右されない持続可能な文化政策を行う為には、「アート」を「マネジメント」することが必要不可欠なのではないだろうか。
文化政策とは「文化を対象領域とした公共政策である」という。文化政策の“文化”とは「文化遺産や芸術作品のような有形の文化と、『人間が社会の一員として獲得したあらゆる態度や習慣を含む複雑な体系』という文化人類学や社会学で用いられる無形の文化(思想・習慣・信条・価値観)の両方を対象とする」ものである。つまり文化は有形、無形問わず人間が創り出したものだ。つまり人間(文化の創り手)が主体の公共政策が文化政策なのである。公共政策とは「公共の利益を増進させるための政府の政策」だ。公共の利益を生み出し、増進させることは経済活動だけではなく、文化活動にも成し得られることなのだ。なぜ税金を使ってまで、文...