海爾と格蘭仕は中国で最も特徴のある企業だが、経営戦略に関して、全くの対立した路線が見られる。海爾は中国でも最もブランド意識が強く、かつ最高のブランド価値を有する企業の一つであるのに対して、格蘭仕は低コスト製造で勝負し、またそれを徹底的に活用している企業である。経営戦略がどうであれ、重要なことは、両方とも注目すべき成功を収めているということである。2000年の中国家電輸出のランキングでは、海爾はトップで、格蘭仕はその次にランクしている。売上額で見ても、海爾は406億元で首位に君臨している一方、格蘭仕は56億で第7位を占めている。一方は自社ブランドを強調、もう一方はあえて他社ブランドを利用、一方は多角化展開、もう一方は専業経営、というまったく反対の戦略をとっている二つの企業がなぜ共に成功を収めているのか。もしこれらの模範とすべき企業の真似をむやみにしたくなければ、我々はその戦略の背後にある経済的なメカニズムを究明しなければならない。
海爾と格蘭仕が今日のような経営戦略を選んだのは、事前に熟考した結果というより、むしろそれぞれが発展してきた過程に関連している。海爾が設立された1985年当初、創業者の張瑞敏が行った不合格の自社製冷蔵庫を社員を集めて叩き壊すという芝居がかった行為は早くもブランド戦略の開始を示唆している。海爾はそれ以後の6、7年間にわたって、生産プロセスにおける全面的な品質管理を実行し、人的資本をコアとする企業文化を作り上げてきたのである。具体的には、企業管理者が生産プロセスと従業員に対する監督を前提に、市場メカニズムにしたがった雇用制度や、報酬を実績・品質に直接的に結びつける信賞必罰的制度など、各種厳格なルールや制度を徹底させた。
海爾と格蘭仕:典型的モデルの比較
一、二つのモデルのいずれによっても成功を収めうる
海爾と格蘭仕は中国で最も特徴のある企業だが、経営戦略に関して、全くの対立した路線が見られる。海爾は中国でも最もブランド意識が強く、かつ最高のブランド価値を有する企業の一つであるのに対して、格蘭仕は低コスト製造で勝負し、またそれを徹底的に活用している企業である。経営戦略がどうであれ、重要なことは、両方とも注目すべき成功を収めているということである。2000年の中国家電輸出のランキングでは、海爾はトップで、格蘭仕はその次にランクしている。売上額で見ても、海爾は406億元で首位に君臨している一方、格蘭仕は56億で第7位を占めている。一方は自社ブランドを強調、もう一方はあえて他社ブランドを利用、一方は多角化展開、もう一方は専業経営、というまったく反対の戦略をとっている二つの企業がなぜ共に成功を収めているのか。もしこれらの模範とすべき企業の真似をむやみにしたくなければ、我々はその戦略の背後にある経済的なメカニズムを究明しなければならない。
海爾と格蘭仕が今日のような経営戦略を選んだのは、事前に熟考した結果という...
各社の業績やランキングの情報源がどこにあるのが明記されていればもっと良かったのではないでしょうか。