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世界で初めての国際通貨制度である金本位制が確立したのは、1816年のイギリスである。18世紀までの世界では、金や銀などの金属が希少性や保存性に優れていたため貨幣として使用されていたが、その後の大銀山発見により次第に銀の価値が下落したため金のみが通貨の基準として使われるようになったのである。当時、世界をリードしていたイギリスでは豊富な金を広大な植民地より大量に集めることができたため、いち早く通貨の発行を始めた。これが金本位制の始まりである。金本位制とは、通貨価値を金価格に対して固定し、中央銀行は発行した紙幣と同額の金を常時保管した上、金と紙幣の無制限の引換えを保証するというものである。こうして金本位制を採用する国家間での通貨の交換比率である外国為替相場は固定されることになったのである。その後、金本位制は先進国で広く採用され実質的な国際通貨制度としての定着期間は短期であったものの1世紀余り続いた。
しかし、1929年のニューヨークでの株式大暴落を契機に、世界は大恐慌となり金本位制から離脱する国が相次ぐようになった。背景には、イギリス全体の経済力が植民地の独立や離反によって大きく低下したこ...