Folk Songと聞くと、私はなんだかソフトで緩やかなものを想像してしまう。しかし実際に曲を聴いてみたところ、サウンドとしてはそれほど攻撃性を感じないものの、歌詞には強いメッセージが込められているのが感じられた。以前にテレビでPete Seegerの反戦歌Where Have all the flowers gone? 特集されていて聴いたとき、ヴェトナム戦争時代にこの曲がヒットしたことを知った。ヴェトナム戦争中にはさまざまなポップカルチャーの中からアメリカの若者による反戦的な動きが出たが、音楽もその一部であった。
1960年代は、改革の時代、革新の時代といわれる。アメリカにとって60年代は、激動の時代であり、南北戦争以来の大革命が行われたジェネレーションだ。……年々少しずつ変わってはきていながら、従来なら疑わなかったような基準や価値観まで、根本から疑ってみる、考え直してみる、実行してみる。……その背景には、ヴェトナム戦争が大きな影を落としている。反戦運動、学園闘争、50年代から着々と進行していた人種差別を撤廃しようという公民権運動などの盛り上がりがあった。こうした運動には音楽がつきもので、『風にふかれて』『勝利は我らに』『アメイジング・グレース』等が、集会や講義デモ行進などで歌われ、みんなの心を一つにまとめる役割をはたした。60年代ほど、『音楽が社会を変える』という夢を、若者や民衆たちが抱いた時代はなかったといっていい。(鈴木道子「アメリカン・ミュージック・ヒーローズ」東京、2005年. p.166)
このように、60年代において音楽は単なる音楽そのものとして娯楽として受け入れられるだけでなく、当時の社会との密接な関係の中で人々の革新的な運動の一環としての役割も果たしていたといえる。
Folk Songブームとヴェトナム戦争
Folk Songと聞くと、私はなんだかソフトで緩やかなものを想像してしまう。しかし実際に曲を聴いてみたところ、サウンドとしてはそれほど攻撃性を感じないものの、歌詞には強いメッセージが込められているのが感じられた。以前にテレビでPete Seegerの反戦歌Where Have all the flowers gone? 特集されていて聴いたとき、ヴェトナム戦争時代にこの曲がヒットしたことを知った。ヴェトナム戦争中にはさまざまなポップカルチャーの中からアメリカの若者による反戦的な動きが出たが、音楽もその一部であった。
1960年代は、改革の時代、革新の時代といわれる。アメリカにとって60年代は、激動の時代であり、南北戦争以来の大革命が行われたジェネレーションだ。……年々少しずつ変わってはきていながら、従来なら疑わなかったような基準や価値観まで、根本から疑ってみる、考え直してみる、実行してみる。……その背景には、ヴェトナム戦争が大きな影を落としている。反戦運動、学園闘争、50年代から着々と進行していた人種差別を撤廃しようという公民権運動などの盛り...