児童期、青年期において社会的認知(社会性の発達、対人関係(親・仲間)の拡がり、自己意識などがどのように変化するかをまとめよ。
児童期は、親からの分離の動きが現れる幼児期と、心理的な自立を果たそうと揺れ動く青年期との間にあり、身体的な発達も比較的穏やかで、情緒的にも安定した時期であるが、新たに始まる学校生活経験は、子供の発達の様々な側面に影響を与える。考えられる変化として、二次的ことばの習得がある。幼児期では親などの特定の人間関係の中で生活していたため、文脈を共有しあっている者同士の間で十分意味が通じる「一次的ことば」を持ちいれば、日常生活に支障はなかった。だが、小学校入学後は、教師の説明や質問したりする話しことばや、教科書や板書された書き言葉の理解力、自分の考えをまとめたり記述する表現力、伝達され交流する多種多様な情報を適切に処理する能力が必要になる。つまり、脱文脈的な「二次的ことば」を習得が要求されるのである。二次的ことばは「行為する自分」「見る自分」の間で交わされる内言の働きに支えられており、ことばは欲求や意図だけではなく、思考や経験を伝え、新しい概念や知識を生成していく働きを担...