学校内外のネットワーク支援を活かした教育相談と、その実現のための課題とは何だろうか。
ネットワーク支援とは、生徒に関わる学校内外の関係者との協働と連携によって生徒を支えることである。学校で「連携」が強調されるのは学校という文化の特殊性にある。学校では学級経営や教科指導に関して互いの専門的能力に基づいた独自性が尊重され連携がとりにくい風土がある。一方、子どもが抱える問題(不登校やいじめ等)は複雑化・深刻化している。これらの問題に専門的に対応するには“こころ”に関して素人である教師個人が問題を抱えこまずに同僚との連携や複数の「心の専門家」との連携が欠かせない。私たち援助者が「助け上手・助けられ上手」になることで子供達が得をする、これが連携の目的である。
校内連携のポイントの一つ目は「意識の変革」である。子供が困っている場面で、教師個人が問題を抱えこまずに他に適任者はいないだろうか、と立ち止まって考えることも大切である。「自分が何をするかより、子供がどんなサポートを受けられるかが大事である」。二つ目は「関係性の強化」である。会議などのフォーマルなコミュニケーションの場で、定期的に顔を...