日本大学 民法Ⅲ(科目コード0134)合格レポート
課題:「Aは資金繰りに困り、自己のBに対する1000万円の金銭債権を平成22年11月1日にCに譲渡し、譲渡証書を交付した。Cは同日中に、これを公証人役場に持参して確定日付を受けたが、後日、Bに提示するつもりで譲渡証書を自宅の金庫のなかに保管した。ところが、その後、Aは、自分が債権者であるかのように装い、前記自己のBに対する債権を平成22年12月10日にDへ二重に譲渡し、同日付の配達証明郵便をもってその旨をBに通知した。そしてその郵便がB宅へ配達されたのと同時に、Cもまた前記譲渡証明書をBに提示した。
この場合、譲受債権の帰属をめぐるBCD間の法律関係はどうのように考えられるか、論ぜよ。」
※当レポートは、参考程度としてお使いください。丸写しなどはお避けください。実際に私が合格したものになります。ノークレームの自己責任でお願いします。
参考文献
内田貴『民法Ⅲ 債権総論・担保物件【第二版】』東京大学出版会
債権譲渡は、債権者である譲渡人と譲受人の合意のみで効力を生じるが、これに関与しない債務者も、債権者が誰であるのかについて利害関係を持つ、これは債務者が債権の譲渡を知らなければ二重弁済という危険にさらされる危険があるからである。そこで、債権譲渡の対抗要件として、債務者への通知または承諾を必要としている(467条1項)この対抗要件には、債務者に対する対抗要件と第三者に対する対抗要件の2つの意味がある。
1債権譲渡における通知とは、譲渡があったということを知らせること、すなわち観念の通知であり、意思表示ではない。しかし、到達主義の原則(97条)、行為能力(4条以下)、代理(99条以下)など、意思表示に関する規定の多くが準用される。
通知は譲受人からすることはできず代位も認められない(大判S5.10.10)。必ず譲渡し人からする必要がある。これは、債権譲渡が存在しないにもかかわらず勝手な通知がされる危険があるからである。よって譲受人は譲渡人に通知するよう請求できるにとどまる。また債務者への通知は譲渡と同時でも構わないが通知が譲渡後であれば対抗力は通知時から生じ
遡及はしない。
②債権譲...