教育学概論(わが国の教育の目的について論述せよ)

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    「わが国の教育の目的について論述せよ」
     わが国の教育目的は、社会的現実に即して求められ、不動・不変ではなく、時代・時代背景により今に至るまで多くの変遷がある。

     例えば、旧天皇制時代「教育ニ関スル勅語」は、「皇運ヲ扶翼」することを、教育の研究の目的とした。また、「国民学校令」は、初等普通教育の目的を、「皇国ノ道ニ則リ国民ノ練成ヲ為ス」ことに求めた。

     また、第二次世界大戦以後の教育目的を規定した教育基本法第一条は、「教育は、人格の完成をめざし、平和で民主的な国家及び社会の形成者として必要な資質を備えた心身ともに健康な国民の育成」と規定している。そしてその趣旨は、前文において、「民主的で文化的な国家を発展させ、世界の平和と人類の福祉に貢献することを願うものである。この理想の現実は、根本において教育の力にまつ」という信念のもとに、「普遍的にしてしかも個性豊かな文化の創造を目指す教育を普及徹底しなければならない」である。

     さらに、平和条約・安保条約調印その発効、並びにGHQ廃止のころから、再び「伝統文化を継承し、日本人としての自覚に立つ」ことも、強調され始めた。

     平成元年3月1...

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