政治社会学とはなんだろうか。まず、なぜ政治社会学なのか。これは一見意味不明な問いであるように思われるかもしれない。政治社会学はいわば、政治学や社会学、およびそれに付随する地域政治論や社会運動論などの議論が行われる中で、後付け的になされている仕事のように思われるためである。
だが本質的な問いだと思われるため、これに関して考察を行う。というのも、政治社会学という新しい学問領域が登場した(名づけられた)ということは、既存の政治学、社会学では認識しきれない部分、分析できない部分があるためだと考えられるであろう。それは、学問が社会の変動に対応できていないためだと思われる。
政治社会学は、その文字から考えれば、政治と社会がキーワードなのであろう。それが、政治学でも社会学でもなく、政治社会学となるのは、つまり政治社会学が政治社会学たるためには、政治社会学固有の「なにか」があるはずである。そしてそれが、政治社会学の生成を要請したのだと考えられる。
もう少し文字にこだわると、やはり政治と社会との関係ということになろうか。政治社会という領域があるわけではないのだから、対象が政治社会なるものを政治社会学と...