豊島産業廃棄物事件について

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    資料紹介

    香川県の豊島の産業廃棄物処理政策を事例として取り上げ、ここに関わる参加者とその利害関係の内容について述べる。これは、1975年から2000年に至るまで「産業廃棄物処理業者」と「香川県」、特に「県知事」、そして「住民」の間で争われた事件である。
    75年、「豊島総合観光開発株式会社」は、有害産業廃棄物処理場建設の許可申請を行う。それに対し「住民」は、環境破壊と農漁業への悪影響を懸念した。そして、豊島の有権者ほぼ全員の反対署名を集め、県に提出した。「豊島観光」は、住民や担当公務員への暴行、脅迫を行い、反対運動を阻止した。「香川県知事」は豊島に訪れ、豊島観光の正当性を訴えたうえに、?住民の心は灰色だ?という発言を行った。さらに、県議会が住民の中止要請を受け入れたにもかかわらず、県知事は建設許可の方針を貫徹した。
    その後、住民と事業者の裁判の和解により、事業内容は?ミミズの養殖?に変更された。しかし、「豊島観光」は徐々に無許可のまま有害廃棄物の取り扱いを始めた。87年、喘息患者が現れ、翌年には喘息による死亡者が出た。これを契機に、88年、海上保安庁は、豊島観光経営者を廃棄物処理法違反で検挙し、有害廃棄物処理は止められた。
    その後の廃棄物撤去についても、香川県は虚偽の撤去終了を宣言し、環境への被害はないとした。しかし、これは住民側に知られることとなり、住民側は、豊島観光・排出業者・香川県を相手取り、公害調停を申請した。そして、2000年に最終合意調印式が行われ、知事がそれまでの虚偽・脱法行為への加担を認めた。
    この政策・事件における主たる参加者を整理すると、それは「香川県(知事)」「豊島観光」「住民」「阪神大都市圏の企業」である。利害の内容であるが、廃棄物処理規制の厳しい阪神都心部の企業は、その排出先が必要となり、豊島観光がそれを引き受けることになった。

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    香川県の豊島の産業廃棄物処理政策を事例として取り上げ、ここに関わる参加者とその利害関係の内容について述べる。これは、1975年から2000年に至るまで「産業廃棄物処理業者」と「香川県」、特に「県知事」、そして「住民」の間で争われた事件である。
    75年、「豊島総合観光開発株式会社」は、有害産業廃棄物処理場建設の許可申請を行う。それに対し「住民」は、環境破壊と農漁業への悪影響を懸念した。そして、豊島の有権者ほぼ全員の反対署名を集め、県に提出した。「豊島観光」は、住民や担当公務員への暴行、脅迫を行い、反対運動を阻止した。「香川県知事」は豊島に訪れ、豊島観光の正当性を訴えたうえに、〝住民の心は灰色だ〟という発言を行った。さらに、県議会が住民の中止要請を受け入れたにもかかわらず、県知事は建設許可の方針を貫徹した。
    その後、住民と事業者の裁判の和解により、事業内容は〝ミミズの養殖〟に変更された。しかし、「豊島観光」は徐々に無許可のまま有害廃棄物の取り扱いを始めた。87年、喘息患者が現れ、翌年には喘息による死亡者が出た。これを契機に、88年、海上保安庁は、豊島観光経営者を廃棄物処理法違反で検挙し...

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