1.日本企業の製品 ― 考察の背景
(1)日本製造業における機械関連のプレゼンスは大きい
機械関連の産業規模が圧倒的に大きい製造業は一般に消費関連(食料品製造業、繊維工業など)、素材関連(化学工業、鉄鋼業など)、機械関連(一般機械器具製造業、精密機械器具製造業など)の三つに区分される。このうち、企業数(従業員が300人以上の大企業に限る)、売上高のそれぞれにおいて機械関連は過半数以上を占める。
機械関連の業種は、海外企業との競合可能性が高い海外進出の程度や競合企業数から考えると、機械関連の日本企業は相対的に海外企業との厳しい競争環境にあるといえる。したがって、日本の製造業を海外のそれと比べる際に、機械関連に絞って考察するのは誤解を恐れずに言えば妥当であろう。
(2)日本製品の特徴
高い品質
日本企業の製品に対し、各国の消費者(日本を含む)は品質における優位性を認めている。また、専門機関による評価も高いものを得ている。例えば、日本の自動車メーカーは欧米の自動車専門誌や調査機関によるランキングで常に上位を占めている。
強い製品開発力
日本企業の製品に対する消費者のイメージの中で、「デザインが良い」、「革新的な」といった項目で高い評価を得た。換言すれば、これらは日本企業が消費者ニーズを的確に捉え、かつそれを製品開発に結び付けている結果であろう。実際に、日本企業の開発期間は欧米企業に比べてはるかに短い。
価格が安定的日本企業は製品を安定した価格で提供している(発表資料内のスライド8枚目を参照)。グラフを見ても直感的に理解できるが、価格の安定さは企業物価指数の変動係数の大きさで比較できる(資料内のグラフにおける数字がそれ)。注1)「Electrical machinery and equipment」、「Motor vehicle parts」は日本の変動係数の方が小さいが、グラフを見ればこれが価格の抑制に依拠するものであることがわかる。
日本企業の製品 ― 考察の背景
日本製造業における機械関連のプレゼンスは大きい
機械関連の産業規模が圧倒的に大きい
製造業は一般に消費関連(食料品製造業、繊維工業など)、素材関連(化学工業、鉄鋼業など)、機械関連(一般機械器具製造業、精密機械器具製造業など)の三つに区分される。このうち、企業数(従業員が300人以上の大企業に限る)、売上高のそれぞれにおいて機械関連は過半数以上を占める。
機械関連の業種は、海外企業との競合可能性が高い
海外進出の程度や競合企業数から考えると、機械関連の日本企業は相対的に海外企業との厳しい競争環境にあるといえる。したがって、日本の製造業を海外のそれと比べる際に、機械関連に絞って考察するのは誤解を恐れずに言えば妥当であろう。
日本製品の特徴
高い品質
日本企業の製品に対し、各国の消費者(日本を含む)は品質における優位性を認めている。また、専門機関による評価も高いものを得ている。例えば、日本の自動車メーカーは欧米の自動車専門誌や調査機関によるランキングで常に上位を占めている。
強い製品開発力
日本企業の製品に対する消費者のイメージの中で、「デザインが良い」、「...