まず、A所有の土地と建物があったとします。AはBからお金を借りる代わりに建物に抵当権を設定したとします。そして、Aは結局借金を返済できず、抵当権が実行され建物が競売にかけられてしまいました。競売の結果、Cがこの建物を競落しました。このときC所有となった建物はB所有の土地の上に建っていることになるので、Bから地上権・賃借権等の土地利用権を取得しないかぎりは、Cはこの建物を利用することは出来ません。そればかりか、Bが所有権に基づく妨害排除請求権を主張すればCはこの建物を取り壊さなければならないのです。
法定地上権のまとめレポート
POINT!
法定地上権については、要件について様々な論点があるのですが、事例的に結構難しいものが多いので、学
部試験レベルで問われるとすれば、基本知識を問う一行問題かと思われます。今回は法定地上権についての
基本的な部分のみ触れておきます。
1.法定地上権とは
(1) 定義
土地及び建物が同一の所有者に属する場合に、土地または建物のみに抵当権を設定したときは、抵当権
実行による競売の場合につき、法律上当然に地上権を発生させる制度。
定義だけでは分かりづらいので、いくつか典型例を挙げておきます。
まず、A所有の土地と建物があったとします。AはBからお金...