試験では「第三者」の解釈、背信的悪意者排除論関連が頻出です。事例問題で、善意悪意の文言を特に設けず、場合分けをさせるという出題もありました。
1.「登記」の有効要件
(1) 形式的要件:登記法の定める手続に従ったこと
?登記共同申請の原則
登記は、登記権利者と登記義務者の共同申請が原則である(不動産登記法26条)。例えば、家屋の売買契約においては、買主が登記権利者にあたり、売主が登記義務者にあたるので、売主と買主が共同して登記の申請をしなければならない。
これは、登記義務者を加えることにより、出来る限り登記に真の実体関係を反映させるという趣旨からである。
?登記請求権
(a)定義
<定義>登記請求権:登記を申請せよ、あるいは登記の共同申請に協力せよと請求する権利。
cf<定義>登記申請権:私人が登記所または登記官に対し登記をするように請求する公法上の権利。
(b)趣旨
登記共同申請の原則(不動産登記法26?)により、登記をなすには登記義務者(売主)の協力が必要である。したがって、登記義務者(売主)が協力しないときは、これを法的に強制しうる権利を認める必要がある。そこで判例は、明文はないが実体法上の権利として登記請求権を認めた。
(c)発生原因
登記請求権の発生原因については、考え方が分かれている。考えられる発生原因としては、?登記が実体的な権利関係と一致しない場合についてその不一致を除去するため物権の効力として生ずる場合(物権請求権的登記請求権)、?物権変動の過程をそのまま登記にあらわす必要があるという登記法上の要請に従い、物権変動の事実そのものから生ずる場合(物権変動的登記請求権)、?当事者に登記する旨の特約がある場合(債権的登記請求権)がある。
177条論のまとめレポート
POINT!
試験では「第三者」の解釈、背信的悪意者排除論関連が頻出です。事例問題で、善意悪意の文言を特に設け
ず、場合分けをさせるという出題もありました。
1.「登記」の有効要件
(1) 形式的要件:登記法の定める手続に従ったこと
①登記共同申請の原則
登記は、登記権利者と登記義務者の共同申請が原則である(不動産登記法26条)。例えば、家屋
の売買契約においては、買主が登記権利者にあたり、売主が登記義務者にあたるので、売主と買主
が共同して登記の申請をしなければならない。
これは、登記義務者を加えることにより、出来る限り登記に真の実体関係を反映
させるという趣旨からである。
②登記請求権
(a)定義
<定義>登記請求権:登記を申請せよ、あるいは登記の共同申請に協力せよと請求する権利。
cf<定義>登記申請権:私人が登記所または登記官に対し登記をするように請求する公法上の権
利。
(b)趣旨
登記共同申請の原則(不動産登記法26①)により、登記をなすには登記義務者(売主)の
協力が必要である。したがって、登記義務者(売主)が協力し...