課題 奈良時代平安時代のいずれかと、院生鎌倉時代以降の文献からそれぞれ一つずつ選び、まず一続きの200字程度の本文を引用し、その中に見出される国語史的特色(その時代らしさ)を説明しなさい。なお、引用した本文は何を参照したか明記すること。 合格レポートです。参考程度にご利用ください。
国語学講義 分冊2 平成24年報告課題
<奈良時代平安時代のいずれかと、院生鎌倉時代以降の文献からそれぞれ一つずつ選び、まず一続きの200字程度の本文を引用し、その中に見出される国語史的特色(その時代らしさ)を説明しなさい。なお、引用した本文は何を参照したか明記すること。>
平安時代成立の『源氏物語』おり、国語史的特徴を説明する。
いづれの御時にか、女御、更衣あまたさぶらひたまひける中に、いとやむごとなき際にはあらぬが、すぐれて時めきたまふありけり。はじめより我はと思ひあがりたまへる御方々、めざましきものにおとしそねみたまふ。同じほど、それより下﨟の更衣たちはましてやすからず。朝夕の宮仕えにつけても、人の心をのみ動かし、恨みを負ふつもりにやありけん、いとあつしくなりゆき、もの心細げに里がちなるを、
文体は、平安時代に成立した、万葉仮名を草体化して作られた平仮名と漢字の交じり文である。人物を指す人称代名詞において、自称の面では「我」とあり、この時代には、「わ」「われ」が中心であった。不定称では、「いづれ」が使用されていて、同じ平安時代成立の『蜻蛉日記』でも、「いづれ」が使われてい...