私たちがすぐに,大きな音や,きついにおいに慣れるのは,はじめは外部からの刺激をそのままに感じていても,危険がない,この状況がしばらく変わらない,あるいは過去に感じたことのある感覚であるとわかると,脳で“感じる必要がない”と判断して,その感覚を抑制するからだろう.そうすることで刺激を感じる頻度を減らせば,ある程度のストレスは抑制できる.環境に順応するということは,常に受ける刺激を感じなくなるということである.
順応のメリットとデメリット
同じ刺激を受け続けると,その感度が低下する(以下,便宜上,これを負の順応と呼ぶ).あるいは刺激を受けていないと,感度が上昇する(以下,これを正の順応と呼ぶ).普段は意識していないが,これは誰もが経験していることである.では,これらの“順応”にはどのようなメリット,デメリットがあるのか.
まず,負の順応には,ストレスを抑制するというメリットがある.私たちがすぐに,大きな音や,きついにおいに慣れるのは,はじめは外部からの刺激をそのままに感じていても,危険がない,この状況がしばらく変わらない,あるいは過去に感じたことのある感覚であるとわかると,脳で“感じる必要がない”...