第1課題
A株式会社においては、金額100万円以上の取引については取締役会の承認が必要とされていたが、同会社代表取締役aは取締役会の承認を得ることなく無断でB会社との間で500万円の取引を締結したうえ、その代金支払いのために金額500万円の手形を振り出した。
このような事情を前提に、次の(1)、(2)の問いに答えなさい。(参考:最判昭44年4月3日民集23巻4号737頁、最判昭和44年11月14日民集23巻11号2023頁)
(1)B会社は満期にA会社およびaに対して同手形の支払いを求めたが、A会社およびaはこれに応ずる必要があるのか。
(2) B会社との取引はA会社のためのものではなく、aが、自らのためにB会社との間で締結した個人的な契約に過ぎず、aはBから引き渡された商品を転売してその売得金を得ていた場合、A会社は満期に手形の支払いをなす義務があるか。
第2課題
AはBに対して約束手形を振出し、Bは支払期限が過ぎた後、本件手形を白地式裏書によってCに譲渡した。
CがAに対して手形金支払いを求めて提訴したが、Aは、BからCへの白地式裏書による譲渡は、Cによって偽造されたものであると...