利益を犠牲にする価格設定慣行
積極的な価格設定者になるためには、顧客が価格、価格の変化、価格の違いをどのように知覚するかを理解することは必要である。これから参照価格の重要な概念について展開した後、しきい値の概念について議論する。この二つの概念に共通しているのは「価格は顧客の価値の知覚を反映したものであるべき」というものである。
参照価格
簡単な歴史的な背景
1945年にスチトフスキーは消費者が全ての製品に対して二つの価格をもっているということを観察した。
その二つとは、
(1)製品の価値を示す伝統的な過去の価格(“通常価格”や“公正な価格”)
(2)製品の実際の価格
である。買い手は、この二つの価格が異なるとき、この二つを比較し、安いとか高いとかの判断をするのである。スチトフスキーによると、安い=低品質、高い=高品質を表し、売り手は製品の価値やお買い得品であることを示すために相対的な価格の枠組みを用いているのである。
その後の研究によって、買い手は製品の品質について通常、正確に把握しているわけではないため、支払っても良い“ちょうどいい”価格がわからないが、品質や価値が異なれば、...