背部の筋

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    資料紹介

    資料の原本内容

    ●浅背筋:主として脊柱または腸骨から起こり、多くは上肢帯骨と上腕骨につく。背部の表層を覆う筋群である。主として脊柱から起こって上肢帯または上肢に停止し,上肢の運動を行う。

    第1層
    ○僧帽筋
    背部の浅層に位置する浅背筋のうち、第1層目にある2つある筋肉の一つで、下行部、横部、上行部の3部に分けられる。
    ステロイドを使用すると僧帽筋が異常に発達するようである。
    船戸和弥のHPの「Rauber-Kopsch解剖学」ではこの筋の解説において「変異」ということで以下のように解説している。
    (日本人の僧:帽筋の完全欠如に近い例が報告されている(狩谷慶喜:北越医学会雑誌, 51巻,1139〜1142,1936).また鎖骨停止部の変異が胎児および新生児125体のうち5体,8側にみられた(山田迪:解剖学雑誌,7巻, 337〜347,1934).)
    筋の二分Zweiteilungは,中心腱膜の高さに見られるものが最も多い分岐の型である.筋の左右がわずかに非対称であることは,ほとんど毎常見られることである.筋起始の減少は,男性よりも女性にいっそう多く見られるという.極端に僧帽筋起始が減少している場合にはその上方はわずかにC. IVまで,また下方はTh. VIII, IX, Xまで存在するに過ぎない.鎖骨部を欠如することもある.過剰筋束は,時にこの筋の上部の前縁に見られ,これを鎖骨後頭筋束Fasciculi cleido−occipitalesといい,これが胸鎖乳突筋の鎖骨部に加わることがある.この筋束は,しばしば頭蓋骨に付着しないで上位頚椎の肋横突起に停止し,特に環椎に終ることが最も多く,これを鎖骨環椎筋M. cleido−atlanticusという.また三角筋と結合することもある。
    起 始:後頭骨、上項線・後頭骨、外後頭隆起(6番)・項靭帯・第7頸椎と全胸椎、棘突起・棘上靭帯
    停 止:鎖骨部・鎖骨の外側方1/3 肩峰部・肩甲骨の肩峰 肩甲部・肩甲骨の肩甲棘
    神経:副神経の外枝・頚神経叢の筋枝(C2,C3,C4)
    作用:肩甲骨を拳上。上肢外転時に肩拳上のために肩甲骨を回旋。肩甲骨を後方へ引く。

    ○広背筋
    背部の浅層に位置する浅背筋のうち、第1層目にある2つある筋肉の一つで板状の大きな三角形の筋肉である。
    船戸和弥のHPの「Rauber-Kopsch解剖学」ではこの筋の解説において「変異」ということで以下のように解説している。
    「変異:個々の筋束に分離することがある.棘突起,腸骨稜および肋骨における筋起始の欠如あるいは増加がありうる.腰三角の形は,この筋が腸骨稜から起るぐあいによって異る.肩甲骨下角から出る副筋束は,大体いつも見られる.広背筋停止腱は,大円筋の腱と分けられないことが多い.過剰筋束としては,広背筋の外側縁において非常に不定であるが腱性あるいは筋性の索が7〜8%(W. Krause,  Le Double)に見られる.これは広背笏の外側縁から分れてでて,腋窩を超えて,多くは大胸筋腱の後面に終るが,また他の場所にも停止することがある.この筋束に対してランゲル腋窩弓“Langer−scher Achselbogen”という名称を用いる.他の副筋束としては,長肘筋M. anconaeus longus(Henle),または広背顆筋M. latissimocondyloideus(Bischoff)とよばれるものがある.これは約5%に見られ,広背筋の腱または筋腹に始まり,上腕筋膜,上腕三頭筋,上腕骨に終り,なお遠く前腕の筋膜にも停止することがある.
    起 始:胸腰筋膜浅葉・第7〜12胸椎の棘突起・全腰椎の棘突起・仙骨の正中仙骨稜(5番)・腸骨稜・第9(又は10)〜12肋骨・肩甲骨の下角
    停 止:上腕骨の小結節稜
    神経:胸背神経(C6,C7,C8)
    作用:肩関節の内転・伸展・内旋


    第2層
    ○大菱形筋
    背部の筋肉は大きく浅背筋と深背筋に分けられるが、大菱形筋は浅背筋の第2層目にある筋肉の一つになる。
    背部の左右の肩甲骨の間に位置する小さな菱形の筋で、上部には小菱形筋があるが、その境界がはっきりしない場合もある。また、そのほとんどが僧帽筋に覆われる。
    起始付近では膜様の腱になっているが、停止付近では筋腹は厚い。また、筋線維は平行して走っていて、筋腹がいくつかの筋束に分かれることがある。
    起始:第1〜4胸椎の棘突起 
    停止:肩甲骨内側縁
    神経:肩甲背神経 C(4)、C5、C(6)
    作用:肩甲骨内転(伸展)、挙上、下方へ回旋させる。

    ○小菱形筋
    背部の筋肉は大きく浅背筋と深背筋に分けられるが、小菱形筋は浅背筋の第2層目にある筋肉の一つになる。
    背部の左右の肩甲骨の間に位置する菱形の筋で、下部には大菱形筋があるが、その境界がはっきりしない場合もある。また、そのほとんどが僧帽筋に覆われる。
    起始:第6〜7頸椎の棘突起、項靭帯下部 
    停止:肩甲骨内側縁
    神経:肩甲背神経 C(4)、C5、C(6)
    作用:肩甲骨内転(伸展)、挙上、下方へ回旋させる。

    ○肩甲拳筋
    背部の筋肉は大きく浅背筋と深背筋に分けられるが、大菱形筋は浅背筋の第2層目にある筋肉の一つになる。
    頸椎と肩甲骨を結ぶ筋肉で、4〜5個の筋腹で構成される。その太さは上位のものほど太くなっている。その名のごとく、肩甲骨を上げる筋肉となり、この筋肉が収縮することにより肩こりの原因となる。
    首を横方向から見ると、肩甲挙筋の起始や停止付近は胸鎖乳突筋や僧帽筋に隠れるが、 その一部は皮下に確認が可能である
    起始:第1〜4頸椎の横突起結節
    停止:肩甲骨上角、内側縁
    神経:肩甲背神経C2〜C5
    作用:肩甲骨の拳上、頸部の回旋、肩甲骨を内側上方に引き上げ、下角を内側方に動かす。


    ●深背筋:背筋の深層で、胸椎から肋骨につく上・下後鋸筋(肋骨の運動)と脊柱の両側を腰部から後頸部にかけて走る固有背筋群がある。

    第1層(棘肋筋)
    ○上後鋸筋
    背部の筋は大きく浅背筋と深背筋に分けることができるが、上後挙筋は深背筋の第1層目にある筋の一つになる。
    背部の肩甲骨の上角と同じくらいの高さに存在する薄い筋で、その全てまたはほとんどが菱形筋に覆われる。
    起始から約1/2は膜様の腱で覆われている。
    起始:第6頸椎から第2胸椎の棘突起、項靭帯
    停止:第2〜第5肋骨の肋骨角(2番)の外側
    神経:第2〜第4肋間神経(T2,T3,T4)
    作用:第2〜第5肋骨を拳上させる。肋骨を引き上げる

    ○下後鋸筋
    背部の筋は大きく浅背筋と深背筋に分けることができるが、下後挙筋は深背筋の第1層目にある筋の一つになる。
    薄い筋で、広背筋に覆われ、起始の胸腰筋膜から始まる部分(全体の約1/2)は膜様の腱になっている。
    起始:第11胸椎〜第2腰椎にかけての胸腰筋膜の浅葉
    停止:第9〜第12肋骨の外側部の下縁
    神経:第9〜第12肋間神経(T9-T12)
    作用:肋骨(第9〜12)を内側に引き、呼吸を補助する。肋骨を引き下げる

    第2層
    ●固有背筋:深背筋の第2層を構成する筋は本来の背筋であって,その数は多いが固有背筋としばしば総称される.これらは脊柱の両側にあり,脊柱と頭を動かす筋群で,全体としては脊柱を直立させる.脊髄神経の後枝を受ける.胸・腰部では厚い胸腰筋膜に包まれるので,浅背筋とは明らかに区別される

    ■固有背筋
    まず、「プロメテウス解剖学アトラス 」では、固有背筋を3つの部位に分けて以下の筋を挙げている。外側群・内側群・短い項筋(or頭椎関節筋)また、「日本人体解剖学 (上巻) 」では背部の筋を大きく浅背筋と深背筋に分け、さらに深背筋を第1層と第2層に分けている。そして第2層の筋を脊柱に関係ある筋(固有背筋、棘背筋)と後頭下筋群に分けているところから考えると、固有背筋に後頭下筋群は入れていないように思われる。そして、「日本人体解剖学 (上巻) 」の脊柱に関係ある筋(固有背筋、棘背筋)とは、具体的には以下の筋肉のことである。板状筋・脊柱起立筋・横突棘筋・棘間筋・横突間筋。 「プロメテウス解剖学アトラス 」と「日本人体解剖学 (上巻) 」の固有背筋を比べると、「プロメテウス解剖学アトラス 」の方が5つほど筋が多い。それが以下である。
    肋骨挙筋・後頭下筋群 (4つ)
    「日本人体解剖学 (上巻) 」 では肋骨挙筋を胸部の筋とし、4つの後頭下筋群は全く「固有背筋」には含めていない。 
    ヤフーの回答では、脊髄神経後枝に支配される筋群のこと。背中にある筋は「背筋」ですが、脳神経に支配される僧帽筋や、腕神経叢に支配される広背筋、肋間神経に支配される上・下後鋸筋は脊髄神経前枝の支配のため、もともとから背中にあるわけではない、という考え方。脊髄神経後枝に支配されている筋はもとから背中にある「固有」の筋ということです。

    ○板状筋

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