職域保険、地域保険、健康保険、船員保険、各種共済組合、国民健康保険、退職者医療制度、全国健康保険協会、健康保険組合、療養費、移送費、傷病手当金、埋葬費、出産育児一時金、標準報酬月額
医療保険制度とは、国民が病気、けが、障害、死亡、分娩等の場合に、社会保険の仕組みを通じて医療費の保障を行うものである。現在、わが国の医療保険制度は、大別すると職域保険と地域保険との2領域に区分することができる。職域保険には、健康保険、船員保険、各種共済組合があり、地域保険には国民健康保険がある。その他に退職者医療制度がある。以上あげた5種類の医療保険について述べていくこととする。
1つは、健康保険である。健康保険法は被保険者が業務外の病気、けが、出産、死亡に罹患あるいは直面したとき保険給付を行うことを目的としている。保険者は公法人の全国健康保険協会と健康保険組合である。健康保険組合には単一健康保険組合と総合健康保険組合がある。被保険者の対象は、一般被用者および日雇労働者である。給付には、被保険者・被扶養者に関する療養費、移送費、傷病手当金、埋葬費、出産育児一時金等の給付がある。
健康保険では、標準報酬月額は47等級に区分されており、これを保険袷付および保険料の算定の基礎としている。標準報酬は、毎月7月1日に前3ヵ月間の平均標準報酬を調査のうえ決定し、原則としてその年9月1日から1年...