第1設題 国際政治学の理論(リアリズム、リベラリズム、マルキシズム、コントラクティヴィズム)について説明しなさい。
(1)リアリズムの見方
国際政治経済においてのリアリズムの基本的な内容としては①主権国家が国際関係における最も基本的なアクターであること。②主権国家は国益を追求し、この国益の中で最も核心的なものは「国家の生存の確保」であること。③主権国家は、国益を実現するための手段として国力を行使し、その国力の強化がまた「国益」となる。国力の中で最も重要なものは軍事力であるが、経済力、技術力もまた強力な軍事力を支えるものとして重視される。それら国力、所謂「パワー」をめぐり諸国家が、展開する闘争(パワー・ポリティクス)こそが国際政治の本質であると見るのがリアリズムである。
このようなリアリズムの考え方に基づき、19世紀から20世紀初頭にかけてヨーロッパの多くの国家は、富国強兵、殖産興業の政策をとり、重商主義と呼ばれる保護主義政策をとった。国際政治経済における伝統的なリアリズムのことを、アメリカの国際政治経済学者のロバート・ギルピンは重商主義モデルと呼んだ。
第二次世界大戦後、先進資本...