企業統治

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    資料紹介

    企業統治とは
     こうした現代巨大株式会社において、経営者がその会社の支配者となり、経営を行う。しかし、経営者は株主の利益を第一に考えた経営をしなくなり、むしろ自らの動機に基づいて経営を行うようになる。株主は、経営者に株主の利益を重視した行動を取らせるため、また、経営者が暴走し、不祥事を起こしたりしないようにするため、経営者を監視するシステムを構築しようとする。これが企業統治(コーポレート・ガバナンス)といわれるものである。
    企業統治——企業は誰のものか

    企業は株主のもの
     法律においては、企業は株主のものであり、企業は株主の利益のために経営されなければならないと決められている。それにもかかわらず、多くの国の大企業では経営者支配が成立しており、株主の利益が軽視されてきた。

    現実に経営者のものになっている
    元々経営者は企業の所有者である株主に雇われた存在であり、経営者が株主の意に沿わない行動を取るならば、株主は株主総会や取締役会を通して経営者を解雇することができる仕組みが設けられていたはずであった。しかし、現実に、本来経営者に対して支配力を行使し、監視するために設置された株主総会や取締役会などの会社機関は無機能化している。配当を低く抑え、株価を下げるような、株主に不利益をもたらす政策を経営者が実施しても、株主はそれを阻止するような手段を見出せないような状況が続くことになる。逆に、経営者が経営者層の人事権を握り、経営者自身に対する巨額の報酬の決定権を握ることになるのは実情である。

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    企業統治

    株式の分散と所有・経営・支配の変化

    支配の形態

    所有・経営・支配の関係

    キーワード
    ①私的所有

    (80%以上の株式を個人が所有)
     株式の分散(増資)
    ②過半数所有支配

    (50%以上の株式を個人が所有)
    株式の分散(増資)
    ③ 少数所有支配

    (5%以上の株式を個人が所有)
    株式の分散(増資)
    ④ 経営者支配

    (5%以上の株式を所有する大株主がいない)

    所有者(大株主)支配
         経営者

          (=所有者)
    企業
    所有経営者
    (所有者=経営者)

    (所有者=支配者)
    所有者(大株主)支配
    所有者
            専門経営者

    企業
    所有と経営の分離

    (所有者≠経営者)

    (所有者=支配者)

    専門経営者の出現
    経営者支配

    支配

    所有者
    専門経営者

    企業

    経営者支配
    所有と支配の分離

    (所有者≠経営者)

    (所有者≠支配者)
    出所:『経営学の基本』中央経済社、27ページより作成。
    完全所有支配(私的所有):大株主がその企業の発行する株式の80%以上を一人で所有している場合で、「所有者=経営者」と...

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