「病弱教育において重複障害児の指導を進める上での配慮点についてまとめよ。」
障害をもつ幼児児童生徒は、その障害の種類や程度によって各種の特別支援学校へ通い、教育を受けることとなる。しかし、障害種別に分けられているものの、その中には、「重複障害」と判定されている児童生徒の実態もある。ここでは、重複障害児について指導する際のポイントを整理し、病弱教育において重複障害児の指導を進める上での配慮点についてまとめていきたい。
第一に、重複障害児の実態把握の観点である。
重複障害児の実態を把握するには①生育歴、②病歴や障害の状況、③治療・相談の経過、④指導及び訓練の経過、⑤日常生活の実態、⑥その他、という観点からの整理が必要となる。
①は、胎児期中の母体の健康状態や生活環
境、出産時の状況と乳児期初期の発達状況等について詳細に情報を整理すること、②は、発病の時期とその期間、病名、病気の進行状況と障害の程度等を現在の障害の状況との関連でまとめること、③は、治療機関、治療期間・および教育期間とその内容、医学的な諸検査の結果と医学的診断の経過をまとめること、④は、親が子どもの障害に気づいてからこれま...