評価5で返却されたものです。
社会政策の定義について簡潔に触れた上で、社会政策の主体・種類・対象領域について説明していく。
社会政策は時代的な背景に基づいて行われるものであり、決定的な定義は難しい。しかし、国によって思想的流れや政策の守備範囲の理解が異なることや社会的な利害対立を伴うことに考慮した上で、SozislpolitikとSocial policyの違いがよく挙げられる。
前者は1870年代にドイツ社会政策学会の創設とビスマルク主導のプロイセン官僚国家体制の政策展開を契機に社会政策が急速に発展していったものである。労働問題を社会問題の軸におき、社会政策の役割は社会改良に求められ、労働組合の結成による労働者の保護と分配政策による階級対立の緩和が重視されるようになった。その結果、欧州諸国や日本に強い影響を与えたのである。後者は20世紀イギリスのフェビアン社会主義の影響下での福祉問題を重視する政府を称したものである。また、1930年代に国際労働機関がsocial policyを公用語としたことで、国際的に普及した。
このように、社会政策には労働問題重視のドイツ的概念と福祉問題重視のイギリス的概念の2つの国際的...