少年刑法犯検挙人員の推移をみると、昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波、昭和39年の23万8,830人をピークとする第二の波,昭和58年の31万7,438人をピークとする第三の波が見られる。これらの時代の社会的背景を見ると次のことがいえる。
昭和20年代は、戦後の混乱期、食糧難で、大人も闇市に群がり違法な食料調達、窃盗事件、殺人・強盗等が多く。食うため、生きるための非行の特徴が見られる。昭和30年代の第二の波は、東京オリンピック開催の年代で戦後経済が活況を呈して社会状況は改善されたが、都市化によって都市部への人口移動があり、地域社会の混乱や崩壊、地域の統一性や連帯感が薄れ、住民同士の関心も薄れ、地域の統制力が薄弱となった。従来の農地が工場や宅地に開発され、電化製品他現金収入の必要性が高まり、共働きが増加し、親の監視が子供に行き届かなくなり、年少少年層の非行、睡眠薬等非社会的非行の出現、殺人、強盗、暴行、傷害等凶悪、粗暴犯の多発が続いた。昭和50年代はオイルショックを乗り越え、親が苦労して経済問題を克服し、子供は豊かな時代に生まれ育ち、スリルと好奇心といった享楽的方向に向かった。この時期、校内暴力やいじめ、家庭内暴力、集団暴行、集団暴走事件も多発した。
少年法2条より、「少年」とは、20歳に満たない者をいう。家庭裁判所の審判すべき非行少年は、?14歳以上20歳未満の少年による犯罪(犯罪少年)、?14歳未満の少年による触法行為(触法少年)、?20歳未満の少年の虞犯(虞犯少年)の3種類である。少年法では、少年の刑事事件について捜査機関限りでの処分を認めず、少年への保護的、教育的な観点から専門的、科学的な判断をしてもらうという考えに基づいて、すべての事件を家裁に送致するという「全権送致主義」が採られている。
「我が国における少年非行の特徴」
少年刑法犯検挙人員の推移をみると、昭和26年の16万6,433人をピークとする第一の波、昭和39年の23万8,830人をピークとする第二の波,昭和58年の31万7,438人をピークとする第三の波が見られる。これらの時代の社会的背景を見ると次のことがいえる。
昭和20年代は、戦後の混乱期、食糧難で、大人も闇市に群がり違法な食料調達、窃盗事件、殺人・強盗等が多く。食うため、生きるための非行の特徴が見られる。昭和30年代の第二の波は、東京オリンピック開催の年代で戦後経済が活況を呈して社会状況は改善されたが、都市化によって都市部への人口移動があり、地域社会の混乱や崩壊、地域の統一性や連帯感が薄れ、住民同士の関心も薄れ、地域の統制力が薄弱となった。従来の農地が工場や宅地に開発され、電化製品他現金収入の必要性が高まり、共働きが増加し、親の監視が子供に行き届かなくなり、年少少年層の非行、睡眠薬等非社会的非行の出現、殺人、強盗、暴行、傷害等凶悪、粗暴犯の多発が続いた。昭和50年代はオイルショックを乗り越え、親が苦労して経済問題を克服し、子供は豊かな時代に生まれ育ち、ス...